ファルセットミックスが好みじゃない人へ

 

こんばんは、ボイストレーナーの金子です。

 

先日、ファルセットミックスの習得に特化した専門講座「Crystal Voice」の募集を

開始しました。

 

すでに続々とたくさんの方が参加してくれていて、

僕としても嬉しいです。

 

ありがとうございます。

 

また、これから参加を考えている人は下記から案内を読んでおいてくださいね。

 

【Crystal Voice のご案内はこちらから】

Crystal Voice

 

さて、今回Crystal Voiceを開講したのは

本当の意味でファルセットミックスの威力、重要性を知らない人が多い

とずっと感じてたからです。

 

ファルセットミックス。

おそらく皆さんが思う100倍重要なスキルです。

 

僕の生徒さんで一番多いのが

 

「正直、ファルセットミックスは興味がなかったですが、

やっておいて本当によかったです。

 

という意見ですから。

 

これ、本当に多いんですよねー。

 

確かにファルセットミックスって、

他の歌唱スキルに比べると少々インパクトには欠けます。

 

ベルティングのように、ドカンと力強い迫力ある目立つ高音ではないし、

ビグラートのように分かりやすく華やかなテクニックではありません。

 

でも、「それでも彼らは口を揃えてファルセットミックスを習得してよかったです!」

って言うんですよ。

 

なぜか?

 

それは、ファルセットミックスは全ての歌唱スキルをグレードアップさせるスキルだからです。

 

全ての歌唱スキルがグレードアップ、、?

なんじゃそりゃ?

 

と思いますよね。

これから詳しく説明しますが、

大きく分けて二つの要素が一気にグレードアップします。

 

① 他の歌唱スキルの魅力を引き立たせる

② 体感が楽になる

 

それぞれサクッと見ていきますね。

 

① 他の歌唱スキルの魅力を引き立たせる

 

まず、ファルセットミックスは他の全ての歌唱スキルを一気にグレードアップさせてくれます。

たとえば、その中の一つである”ベルティングボイス”。

 

力強く、迫力ある爆発的な高音が特徴的な歌唱スキルですが、

ファルセットミックスができるシンガーのベルティングは、

できないシンガーに比べて圧倒的に魅力的に映えます。

 

そもそも魅力的な歌声というのは

抑揚がしっかりとついている躍動感のある歌声です。

 

その点で、ベルティングが力強い”押し”のスキルだとしたら、

ファルセットミックスは優しい”引き”のスキルです。

 

その2つのスキルの強弱が、メリハリのある強烈な「抑揚」につながって、

歌声に魂が宿りだすんですね。

 

だからファルセットミックスを使える人は、

ベルティングの良さを殺さずに、しっかりと生かすことができて

めちゃくちゃ魅力的な歌声が歌えるわけです。

 

あるいは、ファルセットミックスができれば、

息をたっぷり吐いて切ない感情を表現しやすい

ウィスパーボイスなんかも一気に魅力的になりますね。

 

柔らかい地声のようなファルセットミックスと、

声を息で柔らかくコーティングしてくれるウィスパーの相性は抜群です。

 

一流と呼ばれるようなアーティストも、曲の中でこぞって多用する

最強の組み合わせといえますね。

 

【ファルセットミックス × ウィスパーボイス】

 

(柔らかい地声(ファルセットミックス)の中に囁き声(ウィスパーボイス)の要素が聞き取れると思います。)

 

どんな曲でも使えますが、特にバラード調のスローテンポな曲で使うと

歌詞の切なさや儚さを効果的に表現できるので、

歌声がグッと垢抜けます。

 

こんなふうに、ファルセットミックスができると

水を得た魚のように、あらゆる歌唱スキルが曲の中で生きるんです。

 

でも逆にいえば、残念ながらファルセットミックスができないシンガーは

他の全ての歌唱スキルを殺してしまい、全く魅力のない歌声に苦しむことになってます。

 

たとえば、ベルティングについて触れれば、

彼らは「引き」のファルセットミックスが使えないので、

ずっとベルティングで押し続けてしまうんですね。

 

押し押し押し押し!!

みたいな。苦笑

 

だから強弱がなく、全く抑揚がない平坦でつまらない歌声になってしまってるんですよ。

 

あるいは、ずっと強い声なので

「暑苦しいな!」と思われてしまってます。

 

あるいは、ウィスパーでも同じです。

 

といいますか、

 

発声の原理原則的に、中高音域で

地声側の声(裏声じゃない声)でウィスパーをやる場合は、

必ずファルセットミックスができないと成立しないんですけどね。

 

ファルセットミックスができなければ、中高音域で

ウィスパーができないんです。

 

ウィスパーボイスは、声帯が開いた状態で成立するテクニックなんですが、

通常の地声やミックス、ベルティングだと

どれも声帯をしっかりと閉鎖する必要があるので、

 

それらとウィスパーを同時に発声するのは物理的に無理なんですよね。

 

例えるなら前に進みながら、後ろへ進め!と言っているようなものなので。。

 

これ、恐ろしくないですか?

 

ファルセットミックスができないと、歌声で必須である中高音域のファルセットミックスが

できない、、

 

となれば、切ない感情や悲しい感情を歌声で表現することは一気にやりづらくなるので、

これまた平坦で味気ない歌声になってしまうんですよね。

 

他のスキルについては、また後で触れられたらと思いますが、

基本的には同じです。

 

ファルセットミックスができないと、全ての歌唱スキルの魅力を

殺すことになってしまうのは間違いないです。

 

ファルセットミックスがない歌唱というのは、

片輪が欠けた車みたいなものなんです。

 

個人的には、絶対に習得しておきたいスキルだと考えてます。

② 体感が楽になる

 

これ、めちゃくちゃ重要だと思ってるんですが、

ファルセットミックスができると、全ての歌唱スキルの体感が圧倒的に楽になります。

 

ベルティングも、ビブラートも、フェイクも、ミックスもetc,,.

ホント、全てです。笑

 

というのも、ファルセットミックスは声帯の繊細なコントロールを要求されるので

それができるようになるということは、喉の柔軟性が異常に高くなるってことなんですね。

 

その点、ほとんどの歌唱スキルが喉の柔軟性ありきです。

 

だからベルティングも楽な体感で発声できるようになるし、

ビブラートはちょっとした意識で、勝手に声が揺れ続けるようになるし、

キレのあるフェイクが無意識に飛び出すようになるし、、

 

と、ありとあらゆる歌唱スキルがドーピングでもやったかのように、

レベルアップします。

 

僕の生徒を見ていても、ファルセットミックスを習得した頃から

人が変わったかのように歌声が覚醒して、教えているこっちが笑っちゃうレベルです。笑

 

特に、ベルティングの体感が楽になるのは、びっくりするようで

「こんなに楽に力強い高音が出るとは思いませんでした!」

と目を丸くする人が続出してます。

 

今これを書く前にレッスンしていた生徒に

「ファルセットミックスができなかった頃に戻りたい?」

と意地悪な質問をしたところ、

 

「死んでも戻りたくないですねw

息の勢い頼ってベルティングも出したくないし、何より綺麗な高音(ファルセットミックス)

が出せないのは絶対イヤです!」

 

と言ってました。笑

 

彼、ファルセットミックスを習得する前は、

「ファルセットミックスってそこまで重要じゃないと思うんですよね〜。

なんか優先順位低いっていうか。。」

と、のたまっていたのに、です。w

 

まあそれぐらい、ファルセットミックスの威力は半端じゃないってことですね。

 

歌唱の表現の幅を広げくれるし、体感も楽にしてくれる最強のスキルです。

 

今、そこまでファルセットミックスの重要性を感じていない人も、

もしかしたらいるかもしれません。

 

でも後で必ずこのスキルの威力がわかる時がくるので、ファルセットミックスの習得は

よくよく検討してみてください。

 

何度でも言いますが、ファルセットミックスができると

全ての歌唱スキルのレベルが一気に引き上がるし、

できなければ、全ての歌唱スキルの魅力を殺すことになります。

 

それぐらい歌声全体のクオリティをあらゆる面で左右するのは、

ファルセットミックスぐらいかもしれません。

 

だからよく考えてくださいね。

それでは、ありがとうございました。

 

【Crystal Voice のご案内はこちらから】

Crystal Voice