1ヶ月でビブラートを習得した男
こんばんは、ボイストレーナーの金子です。
昨日、ビブラート専門講座「ビブラート操縦士」の募集を開始しました。
ありがたいことにすでに多くの方に参加いただいて、本当に嬉しいですね。
さて、今回ビブラート操縦士を開講したのは、
ビブラートを習得するにあたって、多くの人が小手先のトレーニング方法に振り回されてしまっていると
感じたからです。
それこそ、ひたすらビブラートが上手い歌手の真似をしたり、
音程を上下させたり、顎をガクガク揺らしたり、お腹を押したり、
とにかく小手先の声を揺らすトレーニングが広まりすぎていて、
表面上の練習ばかりに囚われてしまって、なかなかビブラートを習得できない。。
そんな人たちを一人でも減らしたいと思って、この講座を開講しました。
僕は小手先のテクニックに惑わされている人たちを見ていると、本当にもったいない、、と思ってしまいます。
何がもったいないって、一番は時間です。
小手先の練習から離れて、
ビブラートの土台から作り上げていく本質的なトレーニングに取り組んでいけば、
最短距離でビブラートに辿り着けます。
ちなみに、僕の生徒さんでもずっと間違った練習法に捕まってビブラートに悩んでいた人がいましたが、
喉を根本から柔らかくしていくビブラートの土台作りに取り組んだら、
あっという間にビブラートを習得していきましたからね。
彼の場合は、僕と出会うまでなんと３年間も悩み続けてました。
３年もの間、ずっとビブラートをかけるために声を揺らす練習をし続けていたのです。
彼は押しては返す波のような、自然でゆったりとかかる自然なビブラートが好みでした。
ですが毎日のように練習しても、いつまで経ってもビブラートは上達することはなかったんです。
かろうじて声を揺らすことはできても、その揺れは人工的でわざとらしくなってしまったり、
ゆるく自然にかけようと思うと、今度は声の揺れが感じられなかったり。
あるいは「連続して勝手に声が揺れた！」と喜んだのも束の間、
今度はそれはコントロールができない代物だったり。
兎にも角にも、歌に使えてコントロール可能なビブラートを手に入れることは
できないでいました。
彼曰く、毎日毎日辛くて辛くてもう習得を諦めようとしてたみたいです。
そりゃ辛いですよね。
365日、来る日も来る日も練習を続けて３年経っても上達しないんじゃ、
嫌にもなりますよ。
そんなときに僕は彼と出会ったんです。
そして彼の声を聞いて５秒もしないで、
「あ、これは一生かかっても無理だな。」と
一瞬で分かりました。
自由なビブラートの習得には絶対に必要な喉の筋肉がガチガチに固まって機能してなかったからです。
他にも、動いてはいけないパーツが動いていたり、
逆に動かさないといけないパーツが動いてなかったり。
ただ声を揺らしているだけでは、何をどうやっても習得できない状態だったので、
彼が今まで一生懸命費やした時間は全て無駄な努力に終わってしまってたのです。
そこで僕は彼に、喉を根本から柔らかくするトレーニング方法を教えました。
とはいえそれは複雑なトレーニングではなく、
ごくごくシンプルなトレーニングです。
生徒さんからも
「え？こんなのでいけるんですか？」と、目を丸くされたくらいです。笑
でも「いいからやってみてください。w」と僕。
で、実際にやってもらってから1ヶ月後。
レッスンで彼と会ったとき
彼の喉はすでに柔らかくなってきていて、明らかに声が揺れやすくなっていたんです。
一回声を揺らすと、１回目の波が２回目の波を起こし、２回目が３回目を起こし、、
と、次々に連続的に声が揺れていったんですよ。
対してビブラートをかける意識をしてないのに、勝手に声が揺れていくわけです。
もちろんビブラートをかけないこともできるので、コントロールは自由自在。
こうして彼もまた、ビブラート操縦士の一員になるわけですね。笑
こんなふうに彼の場合
３年間必死に練習しても解決しなかったビブラートが1ヶ月で一気に解決に向かい出したわけです。
もちろんまだまだビブラートのクオリティを上げていく余地はあるので、
これからどれだけ頑張れるか？が勝負です。
それでも、どんなに練習してもコントロールできなかったビブラートを
コントロールできるようになったキッカケをあっさりと掴み取ることができたのは、本当に素晴らしいことですね。
今話したのはほんの一例ですが、
こんなふうに正しいやり方を実践していけば、ビブラートの習得時間を大きくショートカットすることができるんですよ。
だってもし彼が今まで通りずっとやり方を変えずに、
ひたすら声を揺らすビブラートの練習にこだわっていたら、今でもビブラートは習得できてないでしょう。
ビブラートという、せっかく華やかな歌声にするための最強のツールがあるのに、その旨みを知ることなく
音楽人生を歩んでいたと思うと、無知というのは本当に怖いなと。
だからこそしっかりとビブラート習得のための正しい知識を得て、
喉を根本から柔らかくしていきましょう。
喉を柔らかくなんて言われたら「難しそう」と思う人もいるかもですが、そんなことないですからね。
ビブラート習得は、完全に「型」があります。
何度も触れている通りで、
喉を柔らかくするために、動かすべき筋肉、パーツ、
逆に動かさないように訓練するべき筋肉、パーツ、
など、やるべきことは決まりきってるんです。
だからその型通りに、淡々とトレーニングを進めていけば誰だって、仮に今の発声がどんな状態だって
ビブラートを身につけていくことができます。
型というゴールまでの地図を持っていさえすれば、
ゴールまで、迷わずに一直線に進むことができるんです。
これはビブラートに限ったことじゃないですが、歌はセンスや才能じゃないんですよ。
正しい知識、型を知っているかどうか？なのです。
だから安心してくださいね。
絶対できますから。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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