【生徒のリアル体験記】歌に才能は必要なのか？
こんばんは、ボイストレーナーの金子です。
最近ネットサーフィンしていて、改めて思ったんですが、
「歌は才能だ」と思っている人は多いみたいです。
「話し声が低いから頑張っても高音は出せない」
「声質が悪いから努力しても無駄」
「歳がいっているから、今から練習しても遅い」
やっぱり、多くの人が自分の才能のことを気にして
萎縮してしまっているように思いますね。
（もちろん、僕もその一人でしたが。）
でも結論から言えば
歌に才能なんて必要ないんですよね。
これを象徴するような、生徒さんがうちのスクールにいるので
今日は彼の話をしたいと思います。
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生徒さんの名前は、有馬大地くん。
彼はカラオケに毎日のように通うくらい
歌うことが大好きでしかたない大学３年生でした。
ただ、彼は毎日のようにカラオケに行って練習していたんですが、
ただ残念なことに、元々C４くらいの音になると叫んでしまって
ほとんどの曲が歌えない状態だったんですよ。
彼の場合、元々の話し声が低いのもあって、
普通の声域を持つ男なら誰でも歌える
と言われている福山雅治の曲でも「サビが高すぎて歌えない！」
みたいな状態で悩んでいたんですね。
だから結局は、地声で高音を出せないために
低音から高音まで裏声で歌わざるをえない状況になっていたんです。
カラオケに毎日通い続けても、全然上手くならないことに痺れを切らしていました。
今でこそ、ちゃんとボイトレをしないと歌が上手くならない
と知っている彼も、
当時は何も知識がありませんでした。
だから、ひたすら歌い込んでいれば高音が伸びていくと思っていたみたいです。
ただ、やっぱり歌っているだけでは、
歌に必要な喉の筋肉が身につけないので、厳しかったのです。
そしてさすがの忍耐強い彼も、我慢の限界で
ボイトレを始めたんですね。
そこで最初は、有名なスクールなら安心できそうだ
ということで、大手のスクールに行っていました。
ただそこでは感覚的な指導が多くて、理解できなかったんだとか。
「頭に響かせなさい」「鼻に響かせなさい」
と指導されて、混乱してしまってドロップアウト。
まあ、こればっかりは先生が悪いとも言い切れないんですけどね。
僕の仲のいい知り合いにも、大手の先生は何人もいますが、
彼らの場合、スクールのお偉いさんが作ったカリキュラムを
必ず指導しないといけない規約になっているんですよ。
だから先生が指導したくない指導内容でも、どうしてもそれを生徒さんに指導しないといけないんです。
先生たちもまたスクールの被害者なんですね。
ちょっと話がそれましたが、
有馬さんはその経験から、個人でやっている先生に絞って探し、
「科学的」「理論的」と謳っているスクールにも沢山通っていました。
ただ、どこのスクールに通い続けても症状は改善せず、
「うちでは無理。他当たってね。」と言われ続けてしまっていたんですよね。
当時の彼は「もう才能ないから無理なのかな。」と思うようになっていました。
歌そのものを諦めかけていました。
そんな時に、僕のスクールに彼がやってきたんです。
彼はまだ今までのトラウマから抜け出せていないようでした。
最初は、
「将来的にはベルティングを習得したいですが、
地声のまま高音が出るなんて常識的にあり得ないと思います。
ミックスじゃないと高音は出ないと思います。」
と言っていましたね。
彼の今までの経験から、そう思うのも無理はありません。
いくらミックスの訓練をしても、
キンキンした強い裏声にしかならなかったんですからね。
そこで、僕は彼の目の前でベルティング発声をし、
さらに昔の僕のド下手な歌唱音声を晒しました。
すると彼は、目をぱちくりさせて 口をポカーンと開けながら
「確かに地声にしか聞こえないです。。すごい。。
地声のまま高音って出るんです、、か、、？」
と呟いていました。
そして、そのまま彼と話をしていると、最終的には
「金子さんにお願いしたいです。知識も実力もある先生を信じます。
先生で治らなかったら歌を諦めます。」
とまで言ってくれて。
その覚悟に僕も胸を打たれて、「何としてでも絶対に治す」と
再度心に誓ったんですよね。
そこからはレッスンの日々です。
喉のパーツをバラバラに分離して、（喉の癖取り、）
分離したパーツを強化して（喉の筋トレ）
最後に調整する。
そんな王道のボイトレを、彼には当たり前にやってもらったのはもちろん、
ベルティング習得のために、身体全身を使えるように
訓練していきました。
今まで彼は、呼吸以外には
喉のトレーニングしかしてこなかったみたいなので、
身体全身の筋膜が喉まで繋がっている、と知って衝撃だったみたいですね。
そして、その２ヶ月後。
彼の音域は、明らかに伸びていました。
逆立ちしても出せなかった音があっさりと
“地声のまま”出せるようになっていたんです。
「え、すごい！前でなかった音が出てます！しかも地声の延長で出せる。。すごい！！」
ちっちゃい子供みたいにはしゃぎながら、
何度も何度も、スマホの鍵盤を叩きながら声を出し続ける彼を見ていて、
普段、感動映画を見ても涙が一滴も出ない僕でも
さすがに涙してしまいましたね。笑
そしてそれからも彼はコツコツとトレーニングを積んでいきました。
その結果、今では出すだけならhiC（C5）、歌に使える音で言うと
hiA（A4）くらいまでは安定してきました。
hiCというと、髭男のPretenderのトップの音くらいに当たるんですが、
そこまで出るようになったのは本当にすごいことだし、
hiAまで歌に使えるようになったのもすごいです。
hiAまで出れば、優里のドライフラワー歌えますからね。
福山雅治の曲で、顔真っ赤にして喉周りの筋肉ムキムキにして苦しんでいた男が、
今ではドライフラワー。。
これは素晴らしい成長ですね。彼の努力のおかげです。
彼も「歌うことが本当に楽しくなりました！
ずっと一生大切にしたい宝物が喉にある感覚です。」
と、言ってくれて。
何度も何度も「先生のおかげです。出会えてなかったら終わってました。
歌諦めてました。」
と狂ったように連呼してくれたときは、
さすがに照れくさかったけれど、
本当に僕としても彼に出会えて良かったな、、と思いましたね。
もちろん、彼の実力もまだまだだこれからです。
なにせ彼はまだ僕のスクールに来て、１年も経っていないので
そりゃ当然です。笑
これからも継続してトレーニングしていけばもっともっと良くなるでしょう。
音域も劇的に伸びていくし、声量も、声質も、歌唱表現も伸び代しかありません。
僕もこれからの彼の成長が楽しみです。
そして彼の話から伝えたいのは、歌に才能は関係ないということです。
そりゃもちろん、あるに越したことはないですよ。笑
でも必須ではない、ということです。
才能の差など、
正しいトレーニングで十分埋められるのです。
と言いますか、
僕の元に来てくれる人たちで
「歌の才能がないんです。。」
と言う人は沢山いますが、たいてい彼や僕よりも才能があります。笑
もちろん、彼らが才能のせいにして頑張っていないわけではありません。
むしろ「才能がない、、」と不安になっている人たちは
みんな一生懸命に努力しています。
こうやってLINE講座を読んで勉強していたり、
スクールに行ったり、本を買ったりしている時点で
しっかりと努力しよう、という意思があるポテンシャルの高い人たちがほとんどです。
でもその努力が実らないのは、「努力の方向性が間違っているよ」
と教えてくれる指導者が中々いないからなんですよね。
（その点、僕は素晴らしい指導者に出会えて本当に運がよかったです。）
だから、そんな努力できるポテンシャルがある人たちが多いのに
結果が出ないのは、本当にもったいないと思います。
努力の方向性をちょっとだけ変えてあげれば、一気に歌は上手くなるのにな。。
と。
繰り返しになりますが、歌に才能なんて必要ありません。
事実、元々歌が苦手だった僕や、彼でも歌唱力を高めることができました。
もちろん他の生徒さんでも、元は歌が苦手だったのに
ぐんぐん歌唱力が上がっていく人たちばかりです。
「心から歌いたい曲を歌えるようになりました。」
「ライブで歌ったら、お客さんが泣いてくれました。」
「自分の歌声に自信を持てるようになりました。」
そんなふうに、喜んでくれている生徒さんで僕のスクールは溢れています。
年齢も、今までの音楽経験も、性別も関係ありません。
10代〜70代まで、老若男女、様々な生徒さんが、
歌唱力を劇的に高めているんですよ。
だから安心してください。大丈夫。
僕ら凡人は凡人なりの戦い方でやっていけば、必ず歌上手くなれるんです。
そして、これからも僕は勉強に勉強を重ねて、学びに学びまくって自分自身の歌声も成長させていきたいし、
一人でも多くの人の声を助けていきたいと、心から思います。
常に謙虚で、常に成長できるように心がけて頑張りたいと思います。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また明日の夜LINEしますね。
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