こんにちは、金子です。
11月よりビブラートを習得することに特化したコース Natural Vibrato Academy(4期)を開講します。
ゼミの目標は、”ナチュラルビブラート”を習得することです。
ナチュラルというと、柔らかくて自然なビブラートなの?と思うかもしれませんが、
そういう意味ではありません。
ここでいうナチュラルビブラートの定義は、“何も考えなくても自動的に声が揺れ続けるビブラート”
です。
ビブラートをかけている歌手を思い浮かべてみると、
様々なアーティストが思いつきます。
激しいビブラートなら、
西川貴教さんや、Gacktさん。
ゆったりしたビブラートなら、
髭男の藤原さんや、平井堅さん。
どちらのビブラートにも共通するのは、かけている本人は、
たいしてビブラートをかける意識をしていないということです。
だって、もし意図的に声を揺らしていたら、
西川さんのような素早いビブラートは間に合わないですし、
平井堅さんのようなゆったりとしたビブラートでは、演歌のような不自然なビブラートになってしまいます。
だからこそ、彼らは、
なんとなく頭をビブラートモードに切り替えたら、あとは勝手に喉がビブラートをかけてくれ、
ノンビブラート(ストレート)モードに頭を切り替えたら、ビブラートが止まるのです。
嘘だろ?と思うかもしれませんが、ビブラートができる人間はみんなこの感覚です。
ビブラートを”かける”というよりも、むしろいつも”かかる”のがスタンダードで、
ちょっと意識すれば、ビブラートを止めることができる。
そんな感覚に近いかもしれません。
だから手動でよっこらせとかけるビブラートを最終的には卒業し、
池に石をポチャンと落としたら、どこまでも勝手に波が続いていくように、
ナチュラルにビブラートがかかり続けるほどの喉の柔軟性を確保しよう。
とみんなに提案しているのです。
そうすれば、そのナチュラルビブラートを思い切り強調すれば、ロック系アーティストの
激しくて素早いビブラートにも余裕で対応できますし、
ゆったりとした美しいビブラートも綺麗にかかります。
何より、ビブラートの気を使わなくて良いので
歌うことに集中できます。
“わざとらしいビブラート”の罠
今まで、プロアマ問わず10000人以上、指導してきて分かったことですが、
ビブラートに関しては、完全に2種類の人間に分かれます。
練習したら、その分だけ成果が出て
スルスルと美しいビブラートをかけられるようになる人間。
一方で、
一生懸命ビブラートを練習しているのに、
いつまでもわざとらしいビブラートで悩み続ける人間。
いったい、なぜこんなにも努力しているのに
5年経っても、10年経ってもわざとらしいビブラートで悩んでいる人がいるのでしょうか。
その理由はいたってシンプルで、
彼らは、ビブラートの練習をする”タイミング”を間違えたからです。
僕の生徒の話ですが、
ミックスボイスやベルティングを練習していて、将来的にはビブラートも習得していきたい
と考えている19歳の大学生の方がいました。
だからこそ、彼にビブラートを習得するタイミングがやってきたときに、
「もし始めるなら今だよ」と指導しました。
ただ彼は僕のことを100%信用していなかったのかもしれません。
彼は、ビブラートの練習をせずに、
「ミックスボイスやベルティングボイスの練習に専念する」と言ったのです。
この時僕は、「あ、彼はビブラートには特に興味がないんだな」と思ったので、
特に深く考えず、彼の思うように練習してもらいました。
そして、月日が流れ
無事ミックスやベルティングが完成したタイミングで、
彼はこんなことを言い出したのです。
「先生、そろそろビブラートの練習をやりたいです!」
…
分かりますよね。
彼の場合、もうとっくにビブラートを練習する時期はすぎていたわけで。
だからこそ
「今から練習するのは、可能だけど、
思うような結果は得られないよ」と答えました。
その時の彼の悲しそうな顔を言ったら、今でも思い出したくないほどです。
そして結局彼は、一生懸命ひとりでビブラートを練習しているようですが、
いまだに演歌歌手のような、わざとらしいビブラートに悩んで苦しんでいます。
カラオケに行ったときも
「お前、演歌歌手かよ!」と笑われたとも言っていたので、
僕としても胸が痛いです。
こんなことになるなら、あの時彼にもっと強く
警告しておけばよかった、と深く反省しました。
嫌われてもいいから、指導者として強く言わなきゃいけなかったのだと。
実際、僕の指導通りに
適切なタイミングでビブラートの練習に入った生徒たちは、今みんな
自然で美しいビブラートがかかってますから。
音波のような素早いビブラートから、
波が押しては返すような、ゆったりとした美しいビブラートまで自由自在にビブラートを使いこなしています。
ライブで歌っていても、お客さんから
「ビブラート本当に綺麗ですね!」と褒められることが多いみたいですし、
Youtubeに動画を投稿しても
シンプルに前向きなコメントで溢れています。
やっぱり一般人がパッと聞いて、歌が上手いなと思う要素として、ビブラートはかなり大きいのです。
「ミックスボイスすごいですね!」とか「ベルティングすごいですね!」とかは、まず言われないですからね。w
(もちろん、高音がすごい!と認知されるので、必須なテクニックではありますが)
そう考えれば、ビブラートはそれほどまでに“テクニック単体”で大衆に認知されているわけです。
だからこそ、たとえば
世界を見据えてデビューさせるK-POP系のアーティストには、
ビブラートは“一生の武器”として指導されますし、
ロック系のアーティストには、他のシンガーとの差別化要素として、
キレのあるビブラートを徹底的に教えます。
結果、ビブラートを極めた彼らは大衆からのウケは抜群ですし、
どこに行っても求められる魅力的なシンガーになります。
それと比べると、「演歌歌手みたい」とこれから生涯にわたって馬鹿にされ続ける
彼の悲惨な状況に胸がえぐられるような感覚に陥ります。
僕が100%本当に悪かったと反省してます。
彼がビブラートを見据えているのなら、本気で警告すればよかったんですから。
だからこそ、こんな人が一人でも減ってほしいと思って、今回
ビブラートの魅力と恐ろしさ、正直に両方を包み隠さず伝えています。
これを真剣に読んでいる人は、きっとビブラートの習得に興味のある人だと思います。
“何もしないことが1番のリスク”だと言うことだけは、心に留めた上で
練習するか、ビブラートを捨てるのか、いずれにしても
よく考えて判断してほしいと思います。
講座の詳細
当講座はロック系シンガーが使う速いビブラートや、ゆったりとしたビブラートなど
ビブラートをとことん極めたい方におすすめのコースです。
※やること多めです。ビブラートは思いのほか難しいので、
本気でビブラートを極めたい方のみご参加ください。
目的:自動でかかり続ける”ナチュラルビブラート”を習得すること
開講予定:11月
内容:ビブラートの基礎〜応用まで
レッスン回数:月1回
レッスン期間:2年
レッスン時間:50分
レッスン料金:30,000円
募集締め切り日
10月31日
※ただし、例年締め切り日よりも前に定員の30名が埋まります。
30名埋まったらその時点で締め切りとなりますので、その点はあらかじめご了承ください。
最後に
ビブラートを上手にかけられると
ピッチ感が非常に良くなる(厳密にはよく聴こえる)ので、
歌が全体的にかなりうまく聞こえます。
(この詳しい理由に関しては講座の中でも話します)
それに、ビブラートは応用範囲が広いです。
たとえば、ベルティングのハイトーン(ロングトーン)とビブラートを組み合わせれば
ロック系のアーティストのお得意技、
ベルティング系ビブラートの完成です。
(難易度MAXですが)
ウィスパーボイスと組み合わせれば、切ない表現も可能です。
ぜひビブラートを習得して、歌に花を添えましょう。
それでは、ナチュラルビブラートの世界でお会いしましょう!
ありがとうございました。
よくある質問
Q.ビブラートは独学できないのですか?
A.できます。がやめておいた方が賢明です。
結論から言うと、ビブラートに限らず、ミックスもベルティングも独学でやろうと思えばできます。
ただ、それは”独学できる”という意味で、”習得できる”という意味ではありません。
結果やクオリティは全く持って保証できませんし、正直に言うと習得はほぼ無理でしょう。
ビブラートを独学するのであれば、他のスキルも習得できなくなる(崩れる)リスクを承知で
自己責任でお願いします。