高音を楽にする？「ネイ発声」の正しい扱い方
こんばんは、ボイストレーナーの金子です。
今朝起きて、パソコンをチェックしたら、
公式LINEにこんなメッセージが届いていました。
「高音の練習で”ネイネイ”というトレーニングを見つけました。
これは効果がありますか？やめておいた方がいいでしょうか？」
ご質問ありがとうございます。
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この質問の中で、Nay発声について知らない人もいるかもしれないので、
軽く触れておくと、
Nay発声とは、ハリウッド系メソッドと呼ばれる
欧米で開発されたトレーニング法の一つです。
あのマイケルジャクソンなどの有名シンガーなども
使っていたメソッドで、今や日本のボイトレシーンでも
多く使われているトレーニング方法の一つです。
科学的なアプローチが得意なメソッドで
僕もレッスンで使用することもあるし、好きなメソッドの一つです。＾＾
Nay発声の話に戻しますが、
これは、平べったい気持ち悪い声で、ネイネイと発声することで、
高音発声をできるようにしていく、高音のトレーニングですね。
だいぶ気持ち悪い声を扱うので初めてこの声を聴く人は
大抵おったまげます。笑
● 音源：Nay発声
（※頭がおかしくなったわけではありません）
本題に戻りますね。
結論から言うと、このNay発声をやること自体は問題ないんですが、
これ「だけ」だと高音は身につかないことが多いです。
さっきも少し触れましたが、このトレーニングって
元々、発声の土台がある“欧米人向け”に開発されたものなんですよ。
欧米人は、言語の特性上
元々、高音に必要な発生の土台が整っていることが多いんですよね。
だからいきなり、Nay発声やMum発声などの
ミックスボイス系トレーニングに挑戦しても、うまくいっている人が多い印象です。
ただ、その一方で僕たち日本人は、言語からしていわゆる「喉声」になりやすく、
そもそもの発声の土台が足りていません。
だから、日本のシンガーで一生懸命「ネイネイ！」とこのトレーニングに
集中していても、全く高音が出ていない人をよく見かけるんですよね。
それこそ、昨日新しく来てくれた生徒さんも、
６年間もNay発声をやり続けて、喉が引き上がりすぎて
恐ろしいほどキンキンした喉締め声になっていました。
「何年練習し続けても、ずっと高音が苦しかったです。」
と、目に涙を浮かばせていたのを見て、
僕も胸が締めつけられるような気持ちになりました。
こんなふうに元の発声の状態によっては、急速に声を悪化させるリスクもあるのが
このトレーニングの恐ろしいところです。
繰り返しになりますが、Nay発声が悪いわけじゃないです。
僕もレッスンで使うこともありますし、発声の土台がある人には効くこともあります。
でも多くの人にとって大事なのは、Nay発声の前に
しっかりと発声の土台を固めておくことです。
特に、日本人にとっては必須事項ですね。
海外系のボイトレメソッドを、
そのまま日本人に当てはめようとしても、どうしても無理があります。
だからこそ、きちんと日本人でも効果の出るメソッドと
“組み合わせてやる”のが大切になってきます。
じゃあどうしたらいいの？
ということですが、
これはもう色んなところで３０００万回くらい叫んでるかもですが、
分離と強化です。
分離やら強化やら、専門用語連発で
難しいイメージがあるかもですが、全然そんなことないです。
わかりやすく言えば、
① 分離で “発声の癖”を取っ払って、
② 強化で、喉の筋トレをする。
① 声の癖を取って
② 喉の筋肉を育てる。
たったこれだけです。
これをやるだけでひとまず、ミックスボイスくらいなら余裕で射程圏内に入ります。
実際、僕の生徒さんでもそもそも「ネイ発声」などのミックス特化系のトレーニングを
やるまでもなく、分離と強化だけで自由に高音を出せるようになる人も多いです。
それくらい強力なノウハウなんですね。
だからこそ、今どうしても高音が出なくて悩んでいる人は
まずは今日の分離&強化。
ひとまずこれから徹底的にやってみてください。
地味すぎるけれど、
これが我々日本人に適した最強の方法です。
断言します。
まとめると、
・海外系メソッド（ハリウッド系メソッド）は日本人には合わない
・発声の土台を固める分離 & 強化が大事
これだけ覚えてもらえたらOKです。
それでは、ありがとうございました。
追伸
分離と強化に関しては、この動画がおすすめです。
長いのでトレーニングの説明部分に飛ばしておきますね。＾＾
（もちろん、興味があれば全部見てください笑）