「それ裏声ですか？」

こんばんは。ボイストレーナーの金子です。

今日は過去一ショックだった出来事を話します。

めちゃくちゃ恥ずかしい話ですし、隠しておこうかなとも思ったんですが、

読んでくれた人の人生が変わる話にもなるかもしれないと思ってあえて話すことに決めました。

ぜひ最後まで読んでみて欲しいです。

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実は僕。もしかしたら未だにベルティングを習得できてなかったかもしれないんですよ。

というのも、昔はベルティングにそこまで必要性を感じていなかったからです。

ミックスボイスである程度満足していたし、それ以上目指す必要もないと思っていたんですよね。

高音も楽に出るし、ボイトレ始めた頃よりは歌も上手くなっているし。

何よりプロを目指すわけではないし、ベルティングは難しそうという先入観があったのが大きいですね。

そこまで頑張る必要もないだろうと心のどこかで思ってました。

でもそんな僕の考えが一変する出来事が起きるんですね。

ある日友達とカラオケに行った時の出来事なんですけど。

そのとき友人が放った一言は自分の胸を深く抉りました。

高音の曲を歌い切った僕に彼が言ったのです。

「それ裏声？綺麗だね！」

いや、、ね。。

本当にショックでした。

もちろん彼はバカにしたつもりはなかったと思います。

素直に感想を言っただけ。

だからこそ余計にショックだったんです。

来る日も来る日も一生懸命練習してきたのに、客観的に見れば

ただの裏声に聞こえているのか、、

今までしてきた努力を全て否定された気分になって本当に

悲しくて悔しくて仕方なかったです。

当然自分の歌声が弱々しい事実。それをすぐには認められませんでした。

彼は耳が悪いから裏声に聞こえるんだ！

ミックスに詳しいボイストレーナーから見れば良い発声なんだよ！

頑張ってきた自分を必死で擁護していたのを思い出します。

でも本当は自分でも薄々分かっていたんです。

「高音は出るけど、なんか弱々しい‥」

「録音して聴いた声が裏声にしか聞こえない、、」

「カラオケのオケに声が埋もれるな、、」

やっぱり地声で高音を出したい。。

その想いは日に日に強くなっていきました。

そんな時にあるトレーナーさんとお会いできて、ベルティング習得を決意したわけです。

もちろん自分が頑張ってきたことが間違っていた事実を受け入れるのは本当に大変なことでした。

辛い現実と向き合うことは辛いことです。

でも何より後で後悔したくないと思ったんです。

5年後10年後、もっと言えば死ぬときに後悔したくないと思ったんですよ。

だからベルティングの習得を決意しました。

もちろん大変なこともありました。

講座を受講したり、練習量を確保したり。

そのためには時間もお金もかかります。

大学に通いながら学校帰りには塾講師のバイト、夜は必死で夜勤の工場バイトをして、お金を稼ぎました。

足りない時間も最大限に捻出しました。

歩いている時間すら惜しくて、いつでもどこでも1分でも時間があればボイトレしました。

ベルティングというプロレベルの技術を習得することは甘くないです。

でもそのために一生懸命努力したことは何も後悔していません。

本当にベルティングを習得できてよかったと心から思いますし、

もしあのとき自分に言い訳して「ミックスボイスでも良いよな」と言い聞かせていたら

今の自分はありません。

ずっと力強い高音で歌える歌手を目にしては、

裏声に毛のはえたような高音しか出せない自分と比べ、落ち込み、

挑戦しなかった自分を慰め言い訳をし続ける日々だったと思います。

正直めちゃくちゃ後悔していたと思います。

だからこそベルティング習得のために腹括ってよかったと思っています。

これ、昔の自分に向けて言いたいんですけど、

やらない言い訳っていくらでも思い浮かぶんですよね。

別にプロを目指しているわけじゃないし、、

まだ挑戦するレベルに達してないし、、

自分には才能ないから無理かな、、

時間が、お金が、環境が、、、

もうね。いくらでも言い訳できるんですよね。人間って。人間は言い訳の天才です。

もちろん僕も同じです。

でもそれを乗り越えたからこそ最高の音楽人生に出会えたし、それは僕が教えている生徒さんたちも同じです。

だからこそ伝えたいです。

本当は挑戦した方がいいかな、、やった方がいいかな、、と思うことが一つでもあるならそれは迷わず挑戦してください。

きっと最高の未来があなたを待っていますよ。

一緒に頑張っていきましょう。

追記

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それでは、ありがとうございました。